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日本では何故Liberal Arts教育が出来ないのか(その4)/可哀想な日本企業

2012年05月24日 14:53:00
今日New Yorkでたまたま日本の超有名な大学のある学部の教授に会った。

彼の話によると、日本の大学生は可哀想だと言う。つまり3年生から就職活動が始まるので、1年生、2年生の2年間しか勉強する時間がない。しかも1年生はほとんど大学に受かったというので浮かれているので2年生の1年間しか勉強する時間がない、と言うのである。

私はこれを聞いて可哀想なのは学生ばかりではない。むしろ日本の企業だと思った。大学でたった1年間しか勉強していないような学生を採用しなければいけない。つまり、高校時代の勉強だけの学生を採用する企業も非常に可哀想だと思った。

確かに企業の内部のことは、あるいはその業界に特有なことは社内教育で教えれば十分だろう。しかしそれでは戦略的な発想をする人材が全く採用できないことになる。戦略的な発想をする人材とはLiberal Arts教育をたっぷりと 受けた人材なのだ。「Liberal Arts教育とは何か」については、私のBlog (http://www.olive-education.com/information/)を参照されたし。(「EducationとJudaism」、「日本では何故Liberal Arts教育が出来ないのか(その2)」、「果たして日本人に Liberal Arts教育は可能か。受け手と教師の民族的性癖」、「Liberal Arts CollegeとBoarding Schoolは金持ちだけの教育だという批判に対して答える」)


いよいよこの日本特有の弊害が現れてきた。企業がしかも一時の日本を盛り上げた企業が全部駄目になって来ている。これは唯一かつ最大の理由はLiberal Arts教育を受けた学生を採用できないからである。可哀想なのは日本の企業である。

Americaの学生は、特にBoarding SchoolからLiberal Arts Collegeに行った学生は、Totalで長い学生で10年間、短い学生でも7年間たっぷりとLiberal Arts教育を受けている。その上でMBAの2年間で実業 の訓 練を受けている。

こういう学生を採用しているAmerica企業と、全くLiberal Arts教育を受けていない学生を採用して社内教育で業界教育だけをしている日本企業とでは勝負にならない。本当に可哀想なのは日本企業である。