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石角完爾先生一時帰国記念講演会講義録

2010年08月06日
石角完爾先生一時帰国記念講演会講義録

アメリカの先進教育から学ぶ 
天才頭脳のつくり方
ボーディング・スクールとは何か


ある日本のスーパーエリート校にて


司会:・・・・・・と思います。先生の1時間半の講演、ボーディング・スクールのディスカッションということでお話がありましたので、お話をしまして校長の方から対談形式で質問というか議論をしていただきます。適宜、会場におきますし、是非口をはさんでいただいて、途中でも手を挙げて頂ければ指名しますので。ではよろしくお願いします。校長、お願いします。

校長:そうしましたら、十分皆さんの意見を解決しているかどうか分からないけれども、質問をしながら石角先生からのお話も更に詳しくお伺いしたいと思います。先生方の方も適宜ありましたら、一つ手を挙げて頂いて突っ込みを入れていただきたい。(どんどん突っ込みと批判を頂いて・・・)最後に言われた部分で、日本の教育ではCritical Thinkingは出来ないという風に断言されたのですが、その辺りを、要するに限界性というものは、先生の本の中でも「日本ではボーディング・スクールは出来ない。」実際には出来なかったし、台湾で創られたということが紹介されていましたけれども、日本の教育の歩みというものをどんな風にお考えになって、その限界というか、大雑把に概略を先生の目から評価して頂いたらどんな風になるのか。ちょっとご紹介いただけたらと思います。

石角:僕は教育大附属中学から洛星に行って京大に行っているわけです。とにかく日本史と世界史と、あの頃は数ⅡのAまであった。それから地理があったでしょう、受験科目で。もう覚えることが中心だったです。Critical Thinking、とんでもない。そんなことはやっていないです。だから質問なんてやっている時間はなかったですね、授業でも。大学に行って司法試験を受けて、あれも京大の教授が自分の作った教科書をほとんど丸読みして、それを必死でノートにとって、我々生徒が何年間もかかって作ってきた「この教授はこういう問題を必ず出すんだ」という予想問題集を入手して、それを丸暗記して。ということで大学生まで終わっています。どこでCritical Thinkingの教育を受けたかと言ったら、多分ゼロだと思います。問題の所在が分からないんです。僕の大学の時の弁護士になっている友人でイギリスの弁護士で、Oxfordで弁護士資格を取ってOxford大学を出た弁護士がいるんです。僕のFirst Nameはカンジと言いますが、「カンジ、お前は大学でどんな教育を受けたんだ?」と言うから、「いや、商法を受けて憲法を受けて、それで刑法を受けて、こういう教育を受けた。」と。そうしたら「お前、それは大変だな。」と言うわけです。「そんなに暗記してきても法律というのはしょっちゅう変わっているだろう。」現実にそうなんです。もの凄く変わっている。国会で300本ぐらい法律が毎年通るわけです。「これから弁護士を40年やるのに、毎年追いかけるのは大変だな。それに比べて俺はOxford大学で一切そういう勉強をしていない。法哲学と法理論と原理原則を勉強した。だから法律がどれだけ変わっても基本的なものの考え方と、法が考えるJusticeはこうだ、正義はこうだ、という基本視点がずれていない。だからカンジは可哀想だ。」と言う訳です。そういう基本視点というか「Justiceはかくあるべし」ということを全然勉強していないから一生追っかけなくてはならない。現実になかなか追っかけられなくなって、もう今の法律の・・・・なんか全然分からない。だから若い弁護士さんに任せなければしょうがない。でも問題は、そういう教育をしていると、OxfordだとかCambridgeだとかアメリカのHarvardで、ああいう教育を受けてきた奴らとなかなか対等に渡り合えない、という感じがしています。

Critical Thinkingということから言えば、司法研修所で受けた授業はその反対であった。例えばこういうことがあった。ある家に泥棒が入った。警察官がその近くで盗品を持っていた男を捕まえた。その男は「これは友達から預ったものだ。」と弁解した。このような事案についての判決起案の裁判研修で、私は憲法の原則に従って「疑わしきは被告人の利益に」という立場から無罪の判決起案をしたら、研修所の教官から大変叱られた。「こういう被疑者の弁解を信用するようでは立派な裁判官になれない。2年間の研修を受けて必ず有罪判決が出せるようになって戻って来い。」と言われた。ここではCritical Thinkingの授業は全くない。議論も受け付けない。「かくあるべし」ということを研修所の教官が要求し、そうなるように教育されるだけであった。最も自由な議論を重んずるべき国家の最後の砦である司法に於いてすらこうである。

マイケル・サンダースというHarvard大学の有名な授業で、この間ヒラリー・クリントンがHarvard大学に来た時にその講演の教室が一杯になるかと思ったら、マイケル・サンダース教授の授業の方がいつも満席で全然生徒が減らなかった。クリントンの方は閑散としていたと言われるぐらいにもの凄く面白い授業があるんです。それがいわゆる討論型の授業です。例えば、「妊婦がその子供を出産させると母体が危ない。そういう時に君が産婦人科の医者だとしたら、子供を助けるのか、お母さんを助けるのか?」という議論をやるのです。他にも色んな議論をやっています。例えば、「腎臓がもうほとんど機能を停止している。一方に於いて中国に貧しい農家の人がいる。腎臓を提供して売りたい。じゃあ、これを仲介するビジネスを君が始めた場合にそのビジネスは倫理的か? 儲かるからといってそういうことをやって良いのか?」それで学生は「いや、腎臓病が悪くなって命を失う人に腎臓を提供する。提供した人はお金をもらえたらいいじゃないか。どこが悪いんだ?」という風な議論をする訳です。これがやはりCritical Thinkingの基本だと思います。こういう授業を僕は受けてこなかった。だから日本でも冤罪が多いのではないかと思います。ユダヤの法の基本原則で「自白ほど信用できない証拠はない。」日本で僕が受けた法学教育は「自白は証拠の王様だ。」こう習って来た訳です。ユダヤは「自白ほど信用出来ない証拠はない。」こういう二つの違いが世界であるんだということについて、何で僕の受けた司法研修所で議論する教育を受けなかったのか。これは今思うと何かおかしかったのではないかなという気がします。

校長:そういうCritical な、色々な問いを立てて議論していくという教育でも、なおかつ、それでも問いに考えていく為に必要な知識はいる、という議論があります。その知識をしっかり積み上げていくことで初めて論理的な思考のもとが形成されていくんだということも根強くあると思いますが、それとの関係で、今おっしゃっていることはどんな風に理解していったらいいのか、というのが質問です。知識とCritical Thinkingとの関係ですね、それはどういう風にお考えですか。

石角:うーん、僕は基本的にCritical Thinkingは知識が邪魔すると思うんですよね。何故かと言うと、今の校長先生の質問は非常に難しい問題で、恐らく知識教育や知識を学校で教えられると、そこで終わってしまうのではないかなという気がします。大化の改新は600何年だとか、そうではなくて、原典を読んで聖徳太子の17条の憲法は、歴史の先生がいらっしゃったら教えて欲しいのですが、現存するのですか? じゃあ現存しないものを、教科書であたかもあるように書いているのは良いのか、という授業をアメリカのボーディング・スクールだったらやるんです。それはアメリカのボーディング・スクールの授業というのは原典主義だから。その実際の史料を、歴史の・・条件を見せて「君ならどう思う、歴史を評価するか」という授業をやっています。だから、17条の憲法、604年、憲法第1条 「和をもって尊しとする」とか何とか色々書いてあるけれども、それを覚えて何になるか。でも、ここにいらっしゃる先生方で17条の憲法の原典を見た方はいらっしゃいますか? 多分いない。614年に書かれた法華義疏の原典を見られた方はいらっしゃいますか? 我が国のBibleだと言われています。聖徳太子が「国の宗教は仏教だ」と定めた、その仏教の経典の直筆の法華義疏、614年に書かれたのを見られた方はいらっしゃいますか? 皆さん方の学校の授業で法華義疏を現実に使って授業をしておられますか? 何故聖徳太子が仏教を国教として定めたのか、その彼の狙いは何か、そういう授業をしておられますか? というと多分してないだろうと思います。でも実際に歴史学を勉強する時にそれをやらないと面白くないでしょう。そう思うんです。だから知識は僕は70%ぐらいはCritical Thinkingの障害になるだろう。実際に17条の憲法は現存しません。日本中探してもない。あの文章はああいったことが書いてあったということを史実として立証するものもないのです。なのに、現に聖徳太子が17条の憲法を作って我が国最初の憲法で、明治憲法までの間ずっとあれが我が国の憲法だったのです。と言われていますが、実際どうだったのだろうかという風に考えていくのがCritical Thinkingじゃないかと思います。だから僕は、70%ぐらいは知識を覚えることはCritical Thinkingの邪魔になるのではないかという感じがします。この辺は皆さんには反対意見はあるでしょう。

校長:例えば、まあ社会の方は問題がありますが、先ほどの「アマゾンで新種の生物が発見された。どんな生物か」と言った時に、アマゾンの生態系なり環境について基本的な知識がないと論理的に出来ないというのがありますよね。そうすると、その為の知識をどうやって、そうしたら獲得して行くのか、あるいは獲得させていくのか、ということの上では知識は不可欠なものだという。そういう気もするんですが、その辺は?

石角:そうですね。あのアマゾンの試験を出したWilliston Northampton Schoolのその生物の授業で1年間やっていたことは、実際僕の娘がその授業を取ってその試験問題を受けたから知っていますが、1年間ゴキブリの飼育だけをやっていたんです。それで期末試験があれなんです。うちの娘も全く面食らっていました。本当に。要するにダーウィンの進化論というものを勉強していないと、多分あれは良い答えを書けていないと思います。突拍子もない「空想上の生物を発見した」なんて書いたら多分零点だと思います。やっぱりアマゾンの密林で進化する生物の新しい新種の発見だから、メチャメチャなことは書けないはずなので。そうするとダーウィンがガラパゴス諸島に行った発見した、それと他の大陸で見た鳥、ハチドリ、その口ばしの形状がこういう風に違っている、と。ダーウィンの「種の起源」などを読んでいないと書けないと思います。まあ、Take Home Examだから、9時に試験問題をもらってすぐにバーッとネットで検索して、ウィキペディアを写して出したら多分退学になっている。うちの娘はさすがにやらなかったので良かったのですけれども。まあ、2時間か3時間ぐらいはウィキペディアとネット検索で午前中は使って、午後1時ぐらいから答案を書いていたのではないかと思います。先ほどの校長先生のお話で、知識というのは学校で勉強するのではなくて問題が出た時にネットで検索すれば良いのではないか、という風に僕は思います。ただウィキペディアが信用できるものかどうかということは更に検証されなければならないので、だから原典主義でなければならないと思います。しかし、知識というのは問題が起こった時に検証して、それでアクセスすれば十分じゃないかなと思いますけど。

校長:いかがですか。今の?

AA:お話を聞いていて、凄いCriticalな人だなと思っています。日本の教育制度そのものがそうなったら、日本人もまあ、ああなるんじゃないかなという風にCritical に思ってしまう。(笑い)どれぐらいの日本人がアメリカのボーディング・スクールに行っているのかという現状を知りたいのが一点。もう一つは、日本人の気質がありますね。アメリカ人のような気質と日本人の気質とでは遺伝学的にもちょっと違うということもあって、日本人は割と保守的で新しいことにチャレンジしないような気質を持っていると言われていますが、日本人にとって、それでもやっぱりボーディング・スクールという形が良いのであろうか、ということも考えます。日本人で日本の教育を受けて行かれて、そういう道筋を何か、別の道筋が何かあるのではないかと思ったりしたのです。私の感想なのですが。

石角:一つ前に戻ると、Military Schoolというのが僕が勧めているボーディング・スクールなんです。日本だと絶対に駄目だと思いますが、要するに退役軍人が校長先生以下全員教師なのです。このTexas Military Schoolは、僕がテキサスに行った時に見学して来ましたが、ここの第一期卒業生の銅像が建っています、バーンと2メートルぐらいの。それがダグラス・マッカーサー。だから、我々日本のOccupied Japanの内閣総理大臣だった人です。それを輩出したボーディング・スクールです。そこではどんなことをやっているか? 後で映像をお見せしますが、ありますが探すのが大変なので。生徒の制服は軍服です。それから生徒のクラス単位がGazetteとか何とか言っていまして、小隊と呼んでいます。食事に行く時も全員制服で掛け声をかけて行きます。テーブルに着いても全員がこうやって後ろに手を回して、小隊長が声をかけるまでは着席も出来ない。こういうMilitary Schoolがアメリカで40校ぐらいあります。アメリカの不動産王のドナルド・トランプを皆さん知っていますか? あのトランプ・タワーをマンハッタンでいっぱい作った。彼はNew York Military Schoolを出ているんです。自分がMilitary Schoolでしごかれたのが嫌だったので、息子と娘達は他のボーディング・スクールにやっていますけれども、Military Schoolというのは面白いです。規則がもの凄く厳格です。僕の息子もMilitary Schoolに入れましたけれども、とにかくベッド・メイキングのチェックがもの凄くうるさい。シーツをミリ単位でそろえてないと。それでWhite Glove Testといって、先生がいつ自分の部屋に入って来るか分からない。そのときに靴がちょっとでもずれていると、「今日は食事抜き」とかやるのです。このMilitary Schoolがアメリカではもの凄い人気です。僕もこのMilitary Schoolの卒業式に行きましたけれども、親がもの凄く感激する。生徒の卒業式なので軍隊行進で生徒がダーッと入ってくる。卒業生だけは100頭ぐらいの黒馬にまたがってサーベルを下げて出て来る。それを親たちはビデオで録ったり必死にやる。これは何を言いたいかというと、この規則ずくめの中身こそ実はCritical Thinkingの教育は芽生えて来るということです。それは何故かと言うと、規則、規則の生活を送っているから、子供達はやっぱり何かに反発しようとしてくる訳です。知識の詰込み教育をやりませんから、そうなるとスポーツだとか授業での活発な発言だとか、そういうものになってくる。だから鉄砲を撃つ実技もありますが、そこで勉強することは鉄砲を撃つ思想を勉強しているのであって、標的に当てることを勉強している訳ではないのです。そういうことをまた先生も教える。射撃の授業の狙いは、正にCritical Thinkingであって、正確な射撃ではなくて、何の為に我々は鉄砲を撃つのだという思想を勉強している。だから、そういうことを授業で話をする訳です。これがそうです。Texas Military Schoolの制服です。Junior Reserve Officer Training Centerとか、こういうのが張り出されていて、これは射撃訓練場です。実弾の射撃訓練を毎日やります。ダグラス・マッカーサーが第一回卒業生です。Admiral Farragut Academy、これは海軍の退役軍人達の創っているMilitary Schoolです。僕が行った時に、これは若き10年前の私ですが(笑い)、生徒達に囲まれています。これが毎日やる軍事行進の風景です。一応生徒達も鉄砲を担いでいます。このようにアメリカのボーディング・スクールというのは各種各様です。親が選べる、子供達も選べる。だから転校も普通です。「こんな学校は気に入らない。」と言えば転校する訳です。

BB:一つ質問していいですか。こういう教育も一つあるのかなと思いながら、何かちょっと違和感も感じています。日本の中で教育されてきたということも勿論ありますが、一方では確かにマスコミとかメディアとか、そういう害悪から逃れて山の中で教育することは純粋培養で非常に良いと思いますが、その後社会に出なければいけないですよね。その時に社会性はどうやって身に付くのか? もう一つは、エリートが集まってエリートのコネクションによって多分生きて行くのでしょうけど、そういったエリートだけが生き抜くというシステムが本当に多様な世界を作っていくことが出来るのかという疑問がある訳です。それについてはどうお考えですか?

石角:このHigh Mowing Schoolは授業の一環として織物の科目を設けています。この科目を何故設けているのかと聞きましたら、今まさにそのご質問の答えなんです。多様な生徒を作って行くために多様な科目と多様な工芸の科目を用意している。だから、親が自分の子供はこういう学校の教育方針に従って学校に行って育ってもらいたいと思えば、その学校を選べるわけです。

BB:じゃあ、お金持ちで?

石角:そうです。だから最初の問題ですよね、「教育にお金がかかって良いのか?」という問題に戻って来る訳です。だからお金があれば多様な教育を選べる。学校が多様だから選べる訳です。それと、そういう中で育って純粋培養された子供達がどういう大学生活を送っていくのか? ほとんどの子供達はアメリカのCollegeに進んでいます。進学率は98%ぐらいです。ご承知のように、アメリカのCollegeはペーパー・テストも勿論やりますけれども、Admission Office方式ですから多様な生徒を入れるわけです。その時に、こういう先ほどお見せした織物の科目を選んで凄い織物を作ってきた、というような生徒もクラスルームの中に1人いた方がいい。日本から来た留学生も1人いた方がいい。僕はHarvard大学のAdmission OfficeのDirectorと何度も話をしていますが、彼が言うにはクラスルームは出来るだけ多様な方がいい。同じ学校から同じような教育を受けて同じような生徒が来て、Discussionが出来ないクラスルームにHarvardはしたくない。だから多様な生徒が育って行くわけですから、そういうCollegeにも入れる。そこで多様な人間と皮膚の色の違う人間と全く違った家庭背景でクラスルームでDiscussionしたことによって、社会に出て行っても多様で変化の激しい社会にcatch up出来る人間が育っていくのではないかというのがアメリカのボーディング・スクールの考え方です。お金がかかる。それは仕方がないですね。そこはもう割切りの問題だと思います。確かにそうなんです。5万5000ドルというのはアメリカの本当の上流家庭でないと負担できない。だけれども、アメリカのボーディング・スクールにはFinancial AidだとかScholarshipがもの凄く充実している。良いボーディング・スクールになればなるほど充実していますので、全校生徒のうちの3分の2はScholarshipを受けています。授業料が全学免除のScholarshipか、あるいは2分の1免除のScholarshipとかいう形で入学して来る子供もかなりの数にのぼっている。だからお金持ちだけが入れる学校ではない、ということも言えます。

それから教育に金持ちしか行けない教育があって良いのかということについて日本の先生方はずい分否定的な意見が多いようだけれども、それは根本的に間違っていると思いますよ。何故なら、それを言いたいならば、「新幹線のグリーン車はやめろ」と言うべきだし、「トヨタ自動車がレクサスの高級車を作るのをやめろ」と言うべきだし、「マンション業者が億ションを売るのもやめろ」と言うべきではないですか。そんなことを言うならば一番公平であるべき病気の治療につき差額ベッドがあることについて徹底的に批判すべきなのです。国立、公立病院ですら差額ベッドがある。一日何万円もの差額ベッドがある。それについて何故文句を言わないのですか? 住む所も乗る列車も運転する車も金持ちでない人も貧乏人も皆同じ車、同じ列車、同じマンション、同じ病室であるべきだという考えに至るべきではないですか。そのところの矛盾を指摘しないで学校教育だけが金持ちの学校があるのはおかしいと言うのは矛盾していませんか。そんなことを言うなら共産主義の中国で金持ちしか入れない学校が林立している状況を何と説明するんですか。少人数のクラスルームを維持していく為には当然授業料は高くなる。日本だってそうでしょう。授業料が公立の授業料の何十倍もする私立学校が林立しているのではないですか。そういう私立学校に対して批判しないで、何故アメリカのボーディング・スクールだけを批判するのですか。矛盾したことを言わないで頂きたい。そういうことを言うならば、国会議員の議員会館を何十億もかけて改築すること自体を批判するべきなのです。無駄な所にどれほど無駄な金が使われているのか、この国では。それを批判するべきでしょう。金持ちが自分の財布から自分の子供の教育の為にお金を出して何故悪いのですか? いいですか、ボーディング・スクールに子供を送っている親というのは国に対して依ったり、たかったり、頼ったりは一切していませんよ。ボーディング・スクールも国に対して依ったり、たかったり、補助金を要請したりも一切していませんよ。1円も政府の金は入っていない、1円も税金は入っていないのですよ。全部自己の費用、自分の財布からやっている訳ですよ。自分の財布から高いものを買って何故悪いのか教えていただきたい。そんなことを言うならば、ヴィトンのバックを買う日本人を批判するべきじゃないですか。そんなことを言うならば、一流のホテルで食事している日本人を批判するべきじゃないですか。自分が稼いだ金をどのように使おうがそれは自分の自由じゃないですか。こういう考え方があるからおかしいんですよ、日本では。

そういうことを言うならアメリカのStanfordもHarvardも全部同じような批判の対象にならなければおかしい。あなた方が言うように金持ちしか入れない学校だと言うならばHarvardもStanfordもまさにそういう学校だ。HarvardとStanfordをあなた方は否定するんですか。HarvardとStanfordの授業料が一体UndergraduateでもGraduateでも幾らかご存知なんですか。何もかも入れて6万ドルから7万ドルですよ。飛び切り高い授業料だ。じゃあ、彼らのやっている教育というのが否定されるのですか。HarvardとStanfordが世界の教育界に今までどれだけ貢献して来たと思っているんですか。こういう批判をもっともらしくする人がいるからこそ日本の教育界は世界から取り残されているのだということを十分認識するべきです。

CC:外人の教師の場合は基本的に・・・・・・・・(聞き取り不能)・・・

石角:人種のパーセンテージは非常にボーディング・スクールは配慮しています。有色人種で一番多いのはアジア系です。その中で一番多いのが韓国。その次に多いのがChinese。香港だとか台湾だとか中国本国からも色々来ていますし、日本人は有色人種の中では一番少ないです。特に少ないのが日本の男の子。ボーディング・スクールに留学している日本人の留学生は女の子が多いです。人種の割合は全校生徒の20%が留学生。ヨーロッパから来ている子供もいますし、アフリカから来ている子供もいる。残り80%はアメリカ人の子弟です。勿論留学生だけで全校生徒を埋めるということも出来る訳ですが、そこはボーディング・スクールの経営者としてはやりたくない。それと語学教育ですが、中学1年生からボーディング・スクールは大体6言語ぐらいの科目を用意しています。ラテン語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、中国語、日本語。Spanishはほぼ共通言語です、アメリカの。英語とSpanishはもう基本言語ですから、その次に第3言語として何を学んで行くか。日本からの留学生だと日本語と英語が出来ますから、3番目の言語として何を選ぶというのを中一で選ばなければいけない。僕の息子はSpanishをやりました。イギリスは小学校から6言語ぐらい教えています。ラテン語、フランス語、スペイン語、まあ英語は基本ですけれども、それに中国語とかロシア語だとかドイツ語だとか。だから小学生ぐらいからの多言語教育がイギリスのボーディング・スクールの基本です。アメリカは小学校のボーディング・スクールというのが非常に数が少ないので中学からですが、多言語教育が基本です。その時に記憶力というよりも、どちらかと言うと会話力を中心にやっていますから文法とかはあまり教えていないです。クラスルームの中もDiscussion方式ですから、自習でやりますね、そういう文法だとかは。クラスルームは全くのDiscussionです。

DD:質問していいですか。素晴らしい写真を沢山見せていただいてありがとうございます。途中でDead Poets Societyの映画の一部が出ていましたが、あの映画は好きで何回か見たことがあるのですが、あの映画の中では必ずしも全ての生徒達がボーディング・スクールに対して厳格とかに魅力を感じて、そうした中で成果を挙げている訳ではないような内容だったように思うのですが、・・・に入ったり、エリートになったりというようなボーディング・スクールの魅力というのはよく分かったのですが、何と言いますか、ボーディング・スクールには課題というのは全くないのでしょうか? 例えば、そうした教育に疑問とか不安を抱える生徒には体罰とか退学を与えてそれで終りということになってしまうのかどうか。例えばボーディング・スクールではない日本の高校が、例えば一つの学校で勉強の出来る子もいれば勉強の出来ない子もいる、私達の学校でボーディング・スクールから何を学んだら良いのか、ちょっとまだよく分からなかったのですが、そういった課題とか魅力を教えていただきたいなと思ったのですが。

石角:この映像を出しているHigh Mowing Schoolというのは、市販の教科書を一切使わない学校なのです。これは生徒達が作った教科書なのです。生徒達が作った教科書をこのHigh Mowing Schoolは次から次へと充実させていって教えている。ここに入れたお子さんで、それが合わないという子供もいる。それで今の質問に対する答えですが、オプション。この学校に何もこだわる必要はない。転校すれば良い。だからその学校でFailすれば他の学校に行けば良い。私は教育コンサルタントとして随分転校の相談には乗っています。日本の留学生で、あるボーディング・スクールに行ったけれども全然合わない、変わりたい。簡単に転校できないような状況でその学校を止める子供に関しては私が台湾の実業家と創った台湾の学校に行って頂いた。そこからアメリカのCollegeに直接受験しているとか、そういう子供たちが沢山いますから。要は、その学校でその子が開花しなければ他の学校に行けば良い、そういう解決方法です。だからボーディング・スクールは自分達の好きなような教育プログラムを提供している訳です。だから皆さん方が銀座とか河原町に行ってレストランを回るようなものじゃないですか。ここの飯が不味ければ他のレストランに行こう。それが一つの解決方法で、私はそれがいいんじゃないかと思います。一つの学校に入学したらずーっとそこに居なければいけない。でもそこが合わなければその子はどうなる? その先生が合わなければどうなる? その担任の先生、慶応の幼稚舎だと担任の先生が付いたら6年間その先生がずーっと付く訳でしょう。ではその先生と合わなければどうするんですか? 父兄がその先生と喧嘩したらどうするんですか? 合わない時はどうするんですか? だから社会に入ったら上司が合わなければ止めるとか何か方法が幾らでもある訳です。じゃあ教育の現場にそういうオプションがあった方が、というのがアメリカのボーディング・スクールの考え方です。だからやめるのも親の勝手、やめるのも生徒の勝手、やめさせるのも学校の勝手。その代わり幾つもの学校があります。ボーディング・スクールの授業料が払えなければパブリック・スクールに行けば良い。パブリック・スクールの授業料を払うのも嫌だと言えば家で教育すれば良い。Home Schoolerというのはアメリカで200万人ぐらいいる。そういう子供たちがどんどん大学に進学している訳です。私の考えは、教育とはオプションがなければならない。新幹線に乗る時にグリーン車もあれば普通車もある訳です。トヨタが作っている車もあれだけ車種がある。じゃあ何故教育にもっとバリエーションとオプションを持たせないのか。ああいう教育が嫌だといえばこういう教育もあるというバリエーションがなければ。日本というのはバリエーションが非常に欠乏した国だと思います。そういう中でボーディング・スクールに出て行く日本の子どもたちがいるのは、これは当然だろうと思います。それが成功するかどうかは分かりませんよ。分からないけれども、女の子が多いということは一つの解だと。日本の社会はやっぱり女の子に対して十分機会を保障していない社会だからだと思いますね。だからボーディング・スクールの留学生で日本の大学に帰るのは男の子の方が多いです。高校で2年間行って帰って来る。昔は帰国子女だという言葉を使って東大だとか早稲田とか慶応の湘南キャンパスだとか皆よく通っていました。あるいは上智だとかICUだとか。でも最近はあまり行かない子が多くなってきた。

EE:全然違う質問ですが、ボーディング・スクールの質を維持するための何か仕組みみたいなものはありますか? 他の言い方で言うと、何かボーディング・スクールを結ぶ何か研究会のようなものがあるのか、Professional Developmentで出て来ると思いますが、教員の繋がりだとか、もしくは学校を通じた世界があるのか。それをProfessional Developmentを行なえるような仕組みがボーディング・スクールの中にあるのか。そういう点はどうでしょうか。

石角:教育学部を出てボーディング・スクールの先生になりたい大学生というのは沢山います。何故多いかというと、まずPayが良い。それから住宅の心配がない。三度の食事が提供される。自分の子供達が就学期になれば無料で無償で入学させてくれる、そのボーディング・スクールに。だから就職先としては非常に良い。それとサバティカルがあるでしょう、博士論文を書ける訳です。博士号を取れるチャンスは恵まれている。それはボーディング・スクールの先生になりたいという人はかなり居るわけです。ボーディング・スクールは350校しかないから教師の数も限られているから、かなりCompetitiveな職場です。授業料が高いから先生方へのPayが良い。Payが良いから全米から優秀な先生が集まって来る。こういう循環が潰れたのがリーマン・ショックです。でもリーマン・ショックの後でも授業料はそんなに下がっていないです。それは、リーマン・ショックで被害を受けたのは英米のいわゆるDead Poison Society、いわゆるカード社会で多重な債務を抱えた人達がクラブの・・・・・ですけれども、そうでない社会もいっぱいある訳です、全世界に。その証拠に中国系が今もの凄く経済的に、ボーディング・スクールに送れるだけの家庭が恐らく400万世帯とか500万世帯が中国で生まれてきている。その世帯達がボーディング・スクールに送りたいということになれば、恐らく全米で350校あるボーディング・スクールは全員中国人にしてもまだ足りない。だからボーディング・スクールの経営基盤のマーケットは全世界にある訳です。アメリカがリーマン・ショックで潰れたら、中国がある。シンガポールがある。シンガポールの経済成長率は今は二桁でしょう。シンガポールは元々英語が母国語だから、アメリカのボーディング・スクールに行きたいという生徒はいっぱい居ます。元々シンガポールはイギリスの植民地だからイギリスのボーディング・スクールに行きたがりますよ。だから教育も一つの産業なのだから、マーケットを世界に求めようとしているのがアメリカやイギリスのボーディング・スクールです。僕はそれは当然の帰結だと思います。それとボーディング・スクールというのはいわゆる学校債を出しています。ボンド。ボーディングスクール・ボンドです。ボンドを出すためにはボーディング・スクールの色々な検査、審査を、いわゆるボンドを引き受ける証券会社から受けなければいけない。その検査の項目というのはもの凄く厳格で3日間ぐらいの検査を受ける訳です。それで初めて起債が出来る。起債が出来ると40億とか50億の単位のお金が入ってくるので、それで校舎を直したりする訳です。だから、こういう起債のマーケットもWall Streetを始めとしてアメリカでは整備されています。ロンドンでもそうです。だから本校でも当然起債が出来る、出来ていないとおかしいし、現実にやっておられるのではないかと思います。そういう形でボーディング・スクールの経営基盤というのは長い間の淘汰で強化されて今残っているのが、そういう意味で成功したボーディング・スクールだと思います。

司会:他にいかがですか?

FF:最初にCritical Thinking、その力、そのパワーというか、それを日本的な教育でない・・・・・・・・ところをもうちょっと・・・・・・・アメリカなどで支持されている最大の理由というのは、アラカルトである、日本的に考えると・・・・・ということになるのですが、そこをもうちょっと分かりやすくという3点。

石角:このMeeting Schoolを見て下さい。これは生徒が牛の世話をしている。この学校に入ると牛の世話を毎日やらされる訳です。なんでこの学校に父兄が殺到するのか? それは全米で2億3000万人の人口の中で牧畜業をやっている家庭だって沢山ある訳です。そうすると家畜の世話を通じて、息子達や娘達がこういう子供に育ってもらいたいと思う親はある一定の比率でいる訳です。そういう親にオプションを提供するのがこのMeeting Schoolなのです。他にも色んな学校、Military Schoolとかご紹介しましたね。野球ばかりやっている学校、スキーばかりやっている所もある。オプションの提供というのがボーディング・スクールの基本的な目的です。こういうオプションで提供された多様な人間が社会全体としてCritical Thinkingの大きなマスを作っていく訳です。多様なオプションの学校群がないと、皆さん卒業生が同じような卒業生が出て来るとなると、その社会というのは一つの種だけで構成された社会になる危険性がある。それが国家経営の非常に大きな問題で、是非本校は特殊な学校になってもらいたい。もの凄く頭の良い人間ばかりが出て来る、あそこの卒業生は。しかし、10年後、20年後、30年後の日本社会で、そういう特殊な変わった人達が居るということが、これから必要になってくるんじゃないかと思います。だって今の自民党も民主党も任せたところであまり変わらないでしょう。だけど「みんなの党」にどれだけ国民の期待があるのか? 彼、渡辺喜美はやっぱり変わっているんです。自民党がまだ政権を取っていた時に辞めたんです。そういう人間が出て来るような教育が必要だ。あれは、だからエリートですよ。リスクを取れる人間がエリート。だから是非リスクを取れる人間を教育してもらいたいという感じがします。その為には教育は出来るだけ多様でないと駄目。学校の中の多様性も勿論必要だけれども、学校自体が多様でないと駄目。このWeb Schoolというのは考古学の研究ばかりやっている、ロサンゼルスの郊外にある学校です。この学校の高校生の書く考古学の論文は全米の大学の先生からも評価を受けているぐらいの高レベルの論文です。ここに逸話があります。レーガンの息子が入ったんです。1年で退学処分になっています。ナンシー・レーガンが何とか退学処分だけはさせまいとして色々動いたけれども、毅然とした対応をしています。それが面白い。Web School、考古学では本当にハイレベルの学校です。だから多様性こそCritical Thinkingの親です。単一性あるいは画一性がCritical Thinkingの阻害要因です。多様である為にはどうすれば良いか? 一つはプレイジャリズム(Plagiarism)に対する徹底した取り締まりと規則と退学処分です。人のものを写す、そういうのは多様性の邪魔だと私は思います。他に何かご質問。これがWilliston Northamptonのゴキブリを1年間飼育した勝手な授業です。後ろに先生が居ます。ここに居る女の子が私の娘です。

GG:先ほどのスライドで科学教育のスライドがありましたね。今日本では科学技術がすごく進んだ中で理数嫌いということが問題になっていて、それを今の新しい学術の進歩を支えていくような子供たちに育てて行くということが課題になっていますが、ボーディング・スクールの中の理科教育、科学教育というのは、それこそ多様でレベルもすごく高いものが沢山コースとして設置されていると思いますが、その辺の科学教育の特徴的な点、進んでいる点、その辺をご紹介いただけたらと思います。

石角:アメリカのボーディング・スクールで遺伝子解析をやっている授業があります。そこはシリコンバレーのベンチャーと提携して、バイオ・ベンチャーと提携して、そこの設備を借りているのです。そういうバイオ・ケミカルだとかバイオ・エンジニアリングの方向に進みたい学生は、やっぱりそういう授業をどんどん取れるというのでもの凄く興奮しています。高校生レベルでかなりのエンジニアリングが出来るのです。それはベンチャーと提携しているからです。そういう産学共同ではないけれども、産学提携を日本の本校でもやっても良いと思いますよ。京都だって色々とベンチャーがあるのだから。そういう子供というのは日本でもアメリカでも一定割合で居るんです。もの凄く特殊な分野で特殊な才能を持っている子供は必ず居るんです。それを伸ばしてやるものを提供するクラスルームやAP、Advanced Programのコースがあった方がいいでしょう。その子供は他の授業は全く全然駄目ですよね。英語などはほとんどFぐらいに全然駄目だし、社会科も全然駄目だけれども、バイオ・エンジニアリングだけはもの凄く出来る。じゃあ、その子は日本の大学受験だと多分駄目でしょう。受からないんじゃないですか。チャールズ・ダーウィンもそうだったし、アインシュタインもそうだったんです。中学、高校もほとんど他の科目は駄目だけれども、彼は数学と宇宙物理だけは無茶無茶出来た。ダーウィンは生物だけ出来たというか、ダーウィンはほとんど昆虫採集で授業に出ていないのです。でもケンブリッジの生物の教授が才能を見い出して彼の研究室に入れたのです。それでその研究室であのビーグル号という船に乗せる特典を与えた為に、彼は「種の起源」を書いたのです。あれが普通の日本の学校だったら、彼はもの凄く駄目生徒です。他の科目が全然出来ないのだから。ここに書いていますように、12歳の女の子がCollegeに入る。それで僕はいいと思うんです。ある特殊な分野に才能のある子供というのは、人口が1億2000万人もいる日本だとかなりの割合で混じっている。その才能を伸ばしてやることを学校は提供する。ある学校が。本校が出来なければ他の学校が提供すれば良いのです。そうすれば日本全体として非常に活力のある社会になっていく訳です。だから、どこに行っても同じ教育だということは、そういう特異な才能を持った子供達が成長しない。全科目平均的に出来なければ東大に行けない。それでは東大生は何か基本的に同じような金太郎飴になってしまって、それで皆が財務省に行って同じようなことを考える。それでは国が誤る可能性だってすごく多いのじゃないですか。だから、エリートというのは多様な教育の中でしか出て来ない。チャーチルだって変わった人ですよ、あの人は。ラグビー校という非常に多様な教育をやった学校で育っている。それはその時代に必要とされた指導者が育っている。今の世の中ではいらないですよ。今のイギリスにはトニー・ブレアみたいな、ああいう俳優的な弁舌の爽やかな人がいいかも知れない。イートンを出たキャメロンみたいな人がいいかも知れない。でもあの第二次世界大戦のあの時にはチャーチルがいった。でも、それを生み出したのはラグビーというボーディング・スクールなのです。トニー・ブレアもそうです。スコットランドのボーディング・スクールのフェティス・カレッジ、しかも見い出した先生が偉かったのかどうか知りませんが、彼をシェイクスピアの演劇部に入れたのです。それで政治に開花した。そういう多様な先生方が居て多様な教育を24時間つききりでやる。こういう教育がやっぱりあって良いだろう、指導者を生むためには。指導者というのは国会議員になるとか、内閣総理大臣になるとか、社長になるとか、そういうことではなく、ある分野で特殊な才能を開花する。それが社会に対する貢献ではないか、僕はそう思います。

GG:その各分野のリーダーというか、子供達に求められる中でのNoblesse Obligeということを先生の本の中にも紹介されていますが、全人格的なものを考える時に倫理観であったり人間的な素養を鍛えるという点での共通する努力といったものは、様々な多様なボーディング・スクールの中でもやられているということでよろしいのですか?

石角:はい。ボーディング・スクールの授業で必ず非常に充実しているのが、この哲学、宗教、倫理教育なんです。日本では例えば仏教教育ってやっていますか、本校で? あるいはキリスト教の旧約聖書を教えていますか? いや、僕は知らないけれども、教えているならそれは良いことです。アメリカのボーディング・スクールではこういう授業があります。ヒンズー教、仏教、儒教、道教の比較研究だとか禅の研究だとか。企業活動に於ける倫理の研究、それから医学と倫理。これは全部実際のボーディング・スクールの授業の科目から取って来ました。社会とカルト、非暴力主義とその理論と実践とか。こういう科目が20科目ぐらい用意されている。何もこれをやったところでアメリカのアイビー・リーグの受験科目にある訳ではないのです。だけどもボーディング・スクールではそれを提供している。何もアイビー・リーグに入れるのがボーディング・スクールの目的ではないですから。こういう倫理教育を施して、少しでもこういうものに触れていってもらうのがボーディング・スクールの目的なので提供している訳です。でもそういうものを勉強していれば、お医者さんになった時に、分娩誘発剤を自分の恋人に処方したりするような医者が生まれる可能性は少しでも減るのではないでしょうか。違いますか? 私は何の為に医者になるのだ、ということをアメリカのMedical SchoolのAdmission Officeでは一番そこをエッセーで書かせる訳です。自分は何故医者になりたいかということを書かせる。そのエッセーが感動出来るものであればMedical Schoolに受かるけれども、成績優秀者が必ずしも受からないです。僕の娘がHarvard Business Schoolに行きましたけれども、彼女のエッセーで「何故ビジネスを通じて社会貢献するか」ということを一生懸命エッセーに書いて、それで認められた。だから彼女のBusiness School Admission Testの成績は決して良くない。ColumbiaとかHarvardとか受かるレベルではないです。GPAも一般的にHarvard Business Schoolに受けるようなGPAではないです。GPAは知っていますよね、Grade Point Average。アメリカのCollegeはもの凄くそれが重要です。でもそういうレベルじゃない。Harvardは3.9とか要求しますが、彼女は全然それに届かなかった。でもビジネスを通じていかに社会貢献するんだ、というエッセーが良かった。それで受かった。そうすると、Harvardの卒業生がBusiness Schoolを出て非倫理的なことをやっていないとは言えないけれども、HarvardのProfessorの口から「Decent Business」「Decent ・・」ということを盛んに聞いて育って来たBusiness Schoolの卒業生達は少しはましなことをやるんじゃないかと思います。「Decent」とは要するに「倫理的な」という意味です。

司会:時間が迫ってきましたが、どうですか、もう何人かに絞られますが。

HH:・・・・・・しているのですが、生徒の引きこもり。国際的な引きこもり。・・・日本の中では問題になっていて、中国では留学生が・・・・・・・海外に出て行く、戻らずにアメリカに・・・・・・・・日本は例えばHarvardに9名しかいっていない、大学生が。ボーディング・スクールには日本の男子が少ないということをおっしゃいましたが、何故こういう形になっているか? 勿論リスク・・・・しないということがあるのでしょうが、何かそういう理由とかどういう風に育てていったら良いのか、前向きな外向きなことでものが見える生徒がどのようにしたら育つのか、非常に興味があるのですか? 何か助言とかご意見があれば。

石角:非常に根本的な質問で、ボーディング・スクールに行った女の子は帰って来ない可能性が非常に高い。僕の娘も帰って来ないし、多分息子も帰って来ない。頭脳流失など、僕は頭脳とは思っていませんが、何故そうなのか? 一つは、やはりオプションが多様なんです。僕の娘がアメリカのOccidental Collegeで心理学を専攻して日本に一時帰国して来ました。それでこうゆう会合で発言して、ある有名な会社の会長さんともの凄い喧嘩になったのです。その時にどういう話題で喧嘩になったのかと言うと、「アメリカのCollegeでは授業中にサンドイッチをほうばることは当たり前だ。デスクの上に靴を乗せるのも当たり前だ。トイレに行くのも当たり前だ。」そうしたら、その会長さんは「アメリカではそんな教育をしているのか。規律というものが日本では重要なんだ。最低限の規律がなければ教室なんて成り立たない。企業もそうだ。だから、そういう教育を受けた奴は日本では通用しない。」と。それで大議論になったのです。それで彼女はどう言ったか? 「足を乗せてもいいじゃないですか。重要なことは何ですか。授業の内容を理解し集中することではないか。だからサンドイッチをほうばって何が悪いのですか?」という考え。アメリカに行くと大体こういう考えになります。重要なことは、授業の内容であり、自分の考えを発表することであり、Critical Thinkingをして良いエッセーを書くことだという実績主義になっていく。なかなか日本の社会に合わない。日本の社会で重要なことはお辞儀の仕方や、お辞儀の角度やその時の手の置き方とか、そういうことが重要です。社会に入ってもそうです。電話の受け答えの仕方、敬語の使い方、謙譲語の使い方、もの凄く重要でしょう。僕は電話で呼んでいても、自分の身内に敬語を使う女性がいたら僕は注意しますけれども、けれど日本ではそういうことが非常に重要だけどアメリカではファースト・ネームで呼び合う。こんなネクタイをしてたりしたら、かえっておかしい。だから合わなくなってくる。帰って来ないと思います。

FF:日本の男子が外に出ないという・・・・

石角:男子は女子と違って身分保障がありますから。就職率も良いし、会社に入ってもある程度の地位までいける。女子は総合職でもどういう使われ方をしているんですかね、僕は疑問だと思います。いくら総合職で商社に入っても銀行に入っても、子供を妊娠する、育児休暇を取る、それは今の労働基準法では職場に復帰できます。けれども、1年間育児休暇を取っている間に他の男子職員がそのポジションを取っている。そういうことを考えると、やはり日本ではなかなか女子が男性と対等にやって行く職場は少ない。ハッキリ言って、僕らの時代に弁護士だとか裁判官だとか、最近は女子の検察官も沢山いるけれども、そういう場所です。資格でやっていく以外にない。なかなか一般の企業では難しい。そういうことを彼女達は知るから、アメリカにそのまま残ってしまうのです。それが日本にとって良いのか? これは根本的に考え直さなくてはいけないと僕は思います。就業人口がどんどん減っている。少子化だ、少子化だ。今の社会保障制度だってこれだけ人口が減ってくればとても維持できない訳です。その前にやることがあるんじゃないですか? 女子を何でもっと登用しないんだということです。国会議員の数だって少ないし、女子の大臣だって数が少ないし、まして上場企業の女子の社長・・・・(テープ替え)・・・・・・というのは、女子の社会進出が最も進んでいる国です。北欧三国など、まさにそうです。京大の法学部でも成績優秀者はほとんど女子でしょう。研修所でも成績優秀者は上から全部ほとんど女子です。何故それを登用しないのだと、僕は思います。だから男子はアメリカに留学してもほとんど帰って来る訳です。実にここが居心地の良い社会だからです。女子にとってはそうではない。だからボーディング・スクールを女子が選んでそのまま帰って来ないというのは、彼女達にとってオプションがある。でも問題は、そういうボーディング・スクールにやれるのが歯医者さんのお嬢さんだったり、お医者さんのお嬢さんだったりしてしまうところが、お金のかかる教育があるということで、それは確かに問題です。でもアメリカのパブリック・スクールに日本人は留学できないから仕方がないのです。パブリック・スクールに入学する為にはアメリカ国籍を持っていなければ駄目です。だから日本人は行けない。じゃあ、プライベート・スクールに行けるかと言ったら、いいですか、アメリカは全部スクール・バス・システムですからね、両親が自家用車で送り迎えするか、スクール・バスに乗せられる距離に両親が住んでいなければ駄目なのです。だから日本人の場合にはアメリカのプライベート・スクールに入学させることも出来ません。娘が「日本の学校は嫌だ。」と言って行けるのは唯一ボーディング・スクールしかないのです。全寮制だから親がここに居ながらやれるのです。オプションはこれしかない。他に何かご質問がありますか?

校長:時間が迫って来ているのですが、まとめ的にメッセージとして頂きたいのですが。日本の学校そのものが全体としては共通して画一的だと言われる部分があります。Bottom up型の教育として、日本全国制度として出来上がっていると思います。それが、こうした世界のボーディング・スクールとか様々なIndependent Schoolとかの形の教育で生み出されている生徒達と、本当に等しく平等に言いますか、対等に競争したり、あるいは協力し合ってやっていく力を、我々の学校では国際的に通用する力という風な形で言っていますが、そういうものとして育てて行こうと思ったら日本の社会の中にどういう、最低限これとこれとこれはやっておかなければ、そういうことはとても出来ないんだよ、そこまで世界の教育というのはどんどん進んでいて、日本の教育のここの改善がなければ、これから日本としても社会的な活力も失っていくし、子供たちの未来も非常に狭まれた選択になっていくし。そういう風な形で、今の日本の初等・中等教育、高等教育も勿論あるでしょうが、そこが今打破しなければいけない、打ち破っていかないといけない課題はどういうものなのかを幾つかメッセージを頂けたらと思います。

石角:もう1にも2にも3にも、10まで全部英語です。絶対に英語教育です。これは中学1年からでは遅い。絶対に遅い。小学1年から毎日2時間ぐらいの英語教育がないと駄目です。なんで英語なのか? 今からご説明しますが、ウィキペディア。あれをクリックして下さい。日本語のウィキペディアで同じ項目を英語でクリックしたら出て来る情報量は10倍違います。ということは、何もWikipediaに限らないです。MedicalでもLegalでもどんな分野でもそうです。英語で書かれた情報の方がはるかに精度が高くて深くて量が多い。それはコンピューター社会になった必然の結論です。だってインド人や何かがエッセーを書く場合に何語で書きますか? 中国人がエッセーを書いて研究論文をNatureに発表する時に何語で書きますか? それに我々はCompeteして付いて行かなければいけない。中国人であれインド人であれ、シンガポールでもスリランカでも、優秀な研究成果というのは全部英語です。そうなったんだからしょうがない。それはいかに早くネット上の英語を読むか、そして自分がネット上に英語え書けるかということです。その能力を子供達につけてやらないと。もうInternational Competitionですから。日本を誰もかまってくれません。いいですか、皆さん。ギリシャがあんなことになったけれども、ギリシャはEUという仲間があるから救われているのです。ドイツ人が「くそーっ」と思いながらもギリシャを支援しています。あれは仲間だからです。我々日本を誰が支援してくれますか? 日米安保協定があったところでアメリカが支援してくれるという保証はまったくない。ましてや財政危機に陥ったら誰が支援してくれますか、この日本は? 必要なのは、世界にCompeteしなければいけない訳だから、英語です。財産的価値は全て英語で書かれているからです。富を生むのも全部英語なんです。マイクロソフトのコンピューター言語は日本語で書かれていますか? プログラミングは英語でやるでしょう。スマートフォンと言われているものは全部英語のソ

イギリスのスーパーエリート校に見る幼児期に於ける多言語教育について

2010年05月14日
 イギリスのスーパーエリート校の一つであるDragon School (Oxford所在)では小学生から毎日フランス語とラテン語を教える。イギリスでは母国語が英語であるから、いわゆる3ヶ国語同時教育ということになる。

 何故ラテン語を教えるのか? ラテン語はラテン系の言語であるスペイン語、イタリア語、ギリシャ語の基本であり、ラテン語を勉強をしていればこれらの言語は極めて修得が容易となるのみならず、ラテン語は西洋に於ける教養の基本言語である。現代アメリカ英語でもラテン語は多く多用されている。医学用語や法律用語はラテン語が極めて頻繁に出て来ると言って良い。

 またフランス語はヨーロッパ言語の基本であり、西洋人の教養の一つとも言われている。

 ところが日本では小学生には日本語しか教えていない。これは一部教育者達が多言語を幼児期から教育すると頭が馬鹿になると考えているからであるが、少なくともイギリスのスーパーエリート校の小学校では多言語教育をして頭が馬鹿になったという報告は出ていないようである。

以上

Websiteや名前で学校、ボーディング・スクールを判断することの危険性

2010年05月13日
 Websiteでは何の情報も得られないと考えて良い。教育とは人が行なうものである。どんな先生がいるか。なかんずく校長先生がどういう人柄の人で、どれほど教育熱心で、どれほど生徒のことを思っているか、ということは絶対にWebsiteでは分からない。Websiteには通りいっぺんのことしか書かれていない。特に校長先生の人柄や教育熱心さ、人柄の良さ、子供思い、いわゆるIntimacyということは絶対にWebsiteでは分からない。

 そこで両親に警告しておきたい。Websiteで学校を選ぶのは、水を見て、それが熱湯かそれとも体温か分からないところに手を突っ込むようなものである。

 同様に名前で選ぶのも同じである。名前というのは有名なボーディング・スクールであるかどうかということであるが、名前で選ぶリスクも上記と同様である。自分の子供に合った教育か、自分の子供に合った教育環境か、自分の子供に合ったやさしい、手厚い、親切な教育をしてくれるかどうかは名前とは全く無関係である。

 ここに我々教育コンサルタントが必要な理由がある。教育コンサルタントは、特に私は、学校訪問をして、その学校のスタッフに会っている。Webでも名前でもない生の情報を得ているのである。

Bishopstrow College訪問

2010年05月08日
 筆者(石角完爾)はロンドンから急行列車で約2時間の距離にあるBishopstrow Collegeというボーディング・スクールを訪問して来た。ここの校長先生はフラン・ヘンソン(Fran Henson)といい、Warminsterという小さな小さな田舎町にある。Warminsterはイギリスの温泉別荘、温泉地と言われているバース(温泉とか風呂とかの「Bath」の英語の語源になった場所であり、ローマ軍によって開かれたイギリスのいわばローマの植民地であった。ローマ人は風呂が好きでここに温泉を掘削しローマと同じような温泉浴場を建てたことから英語の風呂とか温泉とかいう言葉が「Bath」というこの地名から発祥したのである。)からさらに電車を乗り換えて40分ほど行ったWarminsterという小さな町にある。

 Bishopstrowを訪れた時のことである。13歳の日本人の女の子が放課後の3時に特別レッスンを45分受けるので聞いていかないかということであった。わざわざ町からオペラ(声楽)の先生を呼んでいるというのである。聞いてみると、まだ13歳ながらオペラに関心があり、個人レッスンでオペラの先生に付いているという。

 また、土曜日の昼食後であったが英語のクラスを覗いてみた。ロシアのモスコーから来た男の子(といっても13歳)と同じくロシアのレニングラードから男の子(14歳)がいた。二人とも1ヶ月前にBishopstrowに来た時には片言の英語も話せなかった。いわゆる英語力ゼロの状態であったが、1ヶ月後の今日私が自己紹介をするように語りかけたところ、キチンと自分はロシアから来て、出身地はレニングラードで、ここに来て何ヶ月になる。そして卒業後はどういう大学に行きたいか、と英語で語った。しかも私がそれぞれ英語で質問をしたことに対する受け答えである。

 語学は聞く・話すが中心でなければならないのに、日本では文法を中心に教える。全く間違っている。文法などはどうでも良い。また話すのも文法的に間違いがあっても全然構わない。語学は意思の疎通である。自分で思っていることを伝え、人が英語でしゃべっていることを理解する。それが語学教育の中心であるべきであり、99%それで十分である。読み書き・文法は何年も後で教えられても十分である。赤ちゃんに文法を教えるか? 考えてもみたまえ。特に英語らしい英語を話そうとするのも間違っている。英語は世界言語であり、インド人の英語もあればフィリピン人の英語もあるし韓国人の英語もあるし、それぞれ違っていて当たり前である。またアメリカでもそうだが、テキサス人の英語は何を言っているのか分からない。それでいいのである。イントネーションやアクセントにこだわることも間違っている。とにかく意思を相手に伝えること、これが出来るように教育することが重要である。

 Bishopstrowでは、だから1ヶ月でロシアの少年が英語で自己紹介出来るようになっていたのだ。

以 上

Dragon Schoolから来た最新のニュースです

2010年04月21日
Dear Yoriko / Yuka,

I would be very grateful if you could forward some recent news from the Dragon School to those families who expressed an interest in our school when the headmaster, John Baugh, visited your offices in October.

Firstly, we received a very positive report from the Independent Schools Inspectorate when they visited the school in November, and described most aspects of the education and pastoral care as 'outstanding'. The electronic newsletter can be found here:
http://www.dragonschool.org/visitors/about-the-school/inspection-reports.html

I'm also sending a link to the first issue of our new school publication, Dragons Today. This twice-yearly newsletter is intended to give a flavour of recent happenings and life here at the Dragon, to parents who have registered for a place at the school.
http://tinyurl.com/DragonsToday

I'm going to send some printed copies of both these publications to your offices in Tokyo, but obviously with ash clouds preventing postal services from flying anywhere, I thought some electronic copies would also be beneficial.

Do please let me know if any of the families required any further information about the school.

Kind regards,

Lisa

Lisa Johnson
Communications & Marketing Assistant
Dragon School
Bardwell Road
Oxford
OX2 6SS

Tel 01865 315492
Fax 01865 315478

http://www.dragonschool.org

台湾のボーディング・スクールのインド進出プロジェクト

2010年04月13日
 私は今、何度も足を運んだ台湾にまた舞い戻って来ている。というのは、私が5年前に台湾の実業家と作った完璧なアメリカ式のボーディング・スクール(アメリカの校長先生がアメリカの先生と一緒にアメリカの教材を使い英語で全てを教育し、アメリカの大学に進学するという台湾のボーディング・スクールである。)のインド進出の話が持ち上がったのである。

 その台湾の学校は5年前開校した時は全く生徒が集まるかどうか分からない状態であったが、開校するや台湾人でベッドが満室になり今や第2分校まで作った。そして現在では日本(5名)、韓国、香港、中国大陸、そして何とアメリカからも留学生が来ている。アメリカからの留学生は当然Mandarinを勉強するためである。

 ところがインドのある州がこの台湾のボーディング・スクールを是非インドに誘致したいというのである。

 これからの世界は中国語と英語のバイリンガルであることが必須要件であるが、中国語と英語のバイリンガル教育が出来るのは世界でも台湾、香港、シンガポールだけである。そこで、この台湾の学校に白羽の矢が立ったのである。インドのこの州は中国語と英語のバイリンガルを育てるボーディング・スクールを作り、世界から頭脳、特に医療関係の頭脳を集約し、世界トップクラスのMedical Schoolを作ろうという構想である。この度イギリスの投資家を中心に資金が集まり、起工式をした。インドの医学水準はアメリカのそれに並び極めて高度であるが、世界中から優秀な医学研究者や医者を集めるにはその子弟を預かるボーディング・スクールがなければならない。そしてこれからのことを考えると、中国語と英語のバイリンガル・ボーディング・スクールでなければならないと言うのである。インドの先を見据えた国家政策ではある。

Rumsey Hallの校長先生Farmen先生とRyan副校長先生が東京に参りました。

2010年04月05日
Rumsey Hallの校長先生Farmen先生とRyan副校長先生が東京に参りました。
Educational Consultantの石角完爾がFarmen校長先生のご挨拶を通訳致しました。
Rumsey Hallの父兄ら多数が参加致しました。

Wheaton Collegeの副学長が来社しました!

2010年03月24日
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Wheaton Collegeの副学長であるMr. Alfredo Varelaが来社されました。

メルマガ読者の反応をご紹介致します。

2010年02月10日
「日本人としてのIdentityを植えつけるには」という私のメルマガに対し、次のような読者からの反応がありましたのでご紹介致します。

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石角先生

 お世話になります。下記の大変面白く、また貴重なコメントありがとうございます。孫の教育はどうあるべきかで頭を悩ましたことがありました。結果的には、今や保育園、幼稚園を含めた初等教育も香港の方が上なので、香港に家族の拠点を戻しました。日本の公立学校の教育ではとても国際人になることは望めません。香港の(程度が少し高い)学校であれば中国語も英語もマスターし、しかも今や理数教育レベルも日本よりも高くなっております。高等教育は欧米に行かせる計画です。

今後ともどうぞよろしく。

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日本人としてのIdentityを植えつけるには/ユダヤ人は小魚、神は一度水を抜いた。

 教育コンサルタントとしてある立派なビジネスマンから相談を受けた。その人の子供は日本の小学校6年、中学から留学させるかどうかを迷っている。その迷っている一つのポイントは、このままアメリカやイギリスに留学させたら日本人としてのIdentityを失うのではないか、アメリカナイズされた変な日本人になりはしないか、イギリスかぶれした変な日本人になりはしないか、日本人としての心の拠りどころ、Identityを失うんじゃないか。だからせめて大学までは日本に居て、それから大学院留学をした方がいいのではないか、という相談であった。

 私は一つの実例を提示した。私が送り出したある日本人中学生である。その子は中一からあるアメリカのボーディング・スクールに留学した。1年目は順調に経過した。成績も極めて優秀であった。さて2年目に入り、歴史の科目で太平洋戦争について勉強する歴史科目が始った。この時、アメリカではよく見られることだが、クラスを2つに分けて広島、長崎の原爆投下について賛成・反対の意見を生徒が闘わすという授業であった。そこでその子はアジアから留学している別の学生から吊るし上げをくらった。「日本が太平洋戦争でやったことはけしからん。原爆投下も当然であった。」というものである。この意見にショックを受けただけではなく、その子はこの議論に対して反論することが出来なかった。その悔しさが如何とも耐えがたく、もう日本に帰りたいと思いだした。

ところがである。一晩経ってみると、これではいけないと思ったのか、その子は必死で日本太平洋戦争史を勉強しだした。何と中2の時である。英語で書かれた分厚い太平洋戦争史を日本から来た中2の女の子が猛烈な勢いで勉強しだしたのである。そして、徹底的に原爆投下が違法であるという論陣を張ることができた。いわゆる大量虐殺論であり、当時のアメリカ国内でもその議論を展開する良心的な学者がいた。その論文も読みだした。アメリカに留学して2年目の日本人の中学生である。そして意を決して、翌週の授業で大反論を展開したのである。これにはさすがに先生のみならず「もっと原爆を落とすべきだった。」と言ったアジアからの留学生もギャフンとなった。

 私はこの子の将来が楽しみである。恐らく日本に居る時は日本人であることのIdentityは全く認識しなかっただろう。
 これはユダヤの有名な小魚の話と全く同じである。小魚は水の中に住んでいて水の大切さは全く分からないし、水と小魚が一体であるというIdentityも分からない。小魚とはユダヤ人である。水とはユダヤ教である。そこで、ある日神様が小魚を陸に出してみたところ、死ぬほどの苦しみを味わって急いで水に戻った。そしてその日以降水の有り難さが分かったというのである。

 これと全く同じである。日本人も幼い頃から海外で、特に同じ皮膚の色をしたアジア人から徹底的にイジメられ、暴論を吐かれ、そして吊るし上げを喰うという体験をする必要がある。そうすれば強固な日本人意識と強固な日本人としてのIdentity、そして強固な愛国心が生まれて来る。ところが、大学生まで日本に居ると水の中にいる小魚と一緒で、全くその存在の日本人としてのIdentity、すなわち日本人としての存在感、存在意義が分からない。分からないどころか、人から聞かれることもなければ反論されることもないから、自分で勉強しないまま大学生になってしまう。そして社会人になれば勉強とはおさらばである。

 結論を言おう。私は教育コンサルタントとして、もし日本の親が自分の子供に対し日本人としてのIdentityを持ってもらいたいと思うならば、日本で大学まで教育を受けさせることではなく、小学生や中学生の早い段階から海外で教育を受けさせることである。そうすれば、白人や同じ有色人種、場合によって黒人からイジメに遭う。イジメと言っても、こういう教室での大激論である。(暴力的イジメなどはアメリカでは、イギリスでも、日本と違ってほとんど見ない。)そうすれば必死で日本のことを勉強し、日本のことを弁護し、そして日本のことを説明できるようになっていく。

 世の中は通常考えられていることと逆のことが多いのである。日本人としてのIdentityを植させたいならば、小学生又は中学生から海外に出すべきである。日本人としてのIdentityを持たないように育てたいならば大学生まで日本の大学にやるべきである。

以 上

Dragon Schoolを再度訪問して来ました。

2010年01月22日
Dragon Schoolの校長先生ご夫妻が去年ボーディングスクール父母らの会、丸の内スクエアにお越しになり、学校説明会を行いましたが、先週またロンドン郊外のOxfordにあるDragon Schoolを訪問して来ました。訪問した日はたまたまイギリスでも稀に見る大雪の日で、雪深いDragon Schoolを訪問しましたが、校長先生ご夫妻に暖かく出迎えて頂きました。学校は休みであったにも拘わらず校長先生ご夫妻は出勤し、美術関係の補習を何人かの生徒にやっていました。学校自体は休みであったものの、音楽関係に興味のある私の家内がニューヨークで音楽教室をやっていますので、特に念入りに音楽教室関係を見学致しました。防音設備の効いた個人ピアノレッスン室がいくつもあるのには大変驚いていました。Boarderは小学校の3年生から受け入れるということですので、日本から音楽、特にピアノ、バイオリン、その他あらゆる楽器の個人教授がOxfordでは受けられますので、興味のあるご父兄の方は是非ご連絡下さい。

インドの全寮制スーパーエリート教育校への留学について

2009年12月10日
筆者は2009年11月16日、南インドのコーチンにあるChristu Yajan Nthi Public Schoolという小学校を訪問した。この小学校は何と入学競争率が10倍を越えるというインドでも最難関校の小学校で英才教育を施している。

このスーパーエリート校のインドの小学校は1年生から4年生まで、そして中学は1年生から3年生まで、そして高校は1年生から3年生まで、そして理系か文系かに分かれての大学前教育の2年間のインドの英才教育を行う学校である。

授業は全て英語で行われ全科目英語で教えられている。その他に2ヶ国語の取得が義務付けられている。殆どの生徒はヒンズー語とフランス語を取るようである。従って、小学生の段階からトリリンガルになるのである。

インドでは何と18の言語が話されている。少し州をまたぐと文字も言語も全部違うという多言語国家であるから、基本的にインド人は英語とヒンズー語の他にもう一ヶ国語を話すのでトリリンガルになる。このトリリンガル教育がインド人の頭脳を天才的にしている。何故ならば、幼い間に3つの言語を覚えるために頭の細胞が活性化し、理数系に強い頭を作る。言語と理数は直結していると言えるのである。

そのためか、インドの算数、数学教育は日本のレベルの常に2年先を行っている。高1で微積分をやる。だからよく言われることであるが、インド人の生徒で中ぐらいの成績順位の人間がオーストラリアやカナダのボーディング・スクールに転校入学すると数学、物理は学年トップになるのは通常であると言われている。このようにインドの数学、理数系教育は世界で最も先端を走っており、高度なレベルまで小中高学校の間で到達する。

寮もありプールもあり、保育園からあるというインドの超英才教育の小学校である。筆者はここの学校の校長先生と会い、日本から是非生徒を送って欲しいと直々にお願いされた。

筆者はこの学校の校長先生と会い、日本からの留学生の希望があれば小学校の段階からでも受け入れる、とのことであった。インドで小学校の段階から英語、ヒンズー語、そしてフランス語というトリリンガル教育を受けさせたい、英数理系のスーパーエリート教育を受けさせたいという希望の親の方がいらっしゃれば是非私に連絡をいただければ、この小学校への斡旋入学を致します。

言うまでもなくインドのスーパーエリート教育は世界最高水準を走っている。アメリカのボーディング・スクール並みだ。中でも理数系、特に数学の教育は数学発祥の地インドならではであり、恐らく世界で最も数学教育が進んだ国の一つであると言える。

以上

インドでの数学天才教育夏期留学のご案内

2009年12月10日
私は2009年11月16日、インドの最高の工科大学(インドのMIT)と言われるLajajiri School of Engineering and Technologyの学長Jose Alex CMI氏と会った。ここではインドの最も強い教育分野であるScience、Mathematics、物理、工学教育の英才教育が行われている。同氏はムンバイのTata Institute of Social Scienceつまりタタ財閥が出資して創ったインドで最も有名な社会科学系の大学を卒業し、教育事業に携わって来られた方である。

その学長と筆者とが合意したことは、日本の中高校生で特に数学を得意とする生徒を夏の間この大学で受け入れ、英語による数学の天才特訓を行うというものである。数学・物理に能力のある子供を数学の基本用語である英語でより高度な1対1の特殊英才教育を行おうというものである。興味のある方は是非御連絡を頂きたい。

インドのスーパーエリート校の数学教育は世界で最高水準を行き、欧米の公立教育の数学の2年先を走っている。つまり、どういうことかと言うと、欧米の公立高校1年生が学んでいることはインドのスーパーエリート校の中学2年生が学んでいることであるということである。それぐらいインドは数学教育に力を入れている。しかもインドの数学教育は全て英語で行われている。従って、インドで学んだ数学は全世界で通用する数学となる。勿論日本では日本語で数学を教えているが、日本語で「微分積分」とか「有理数」と言ったところで世界では分からない。「因数分解」と言ったところで分からない。やはり英語で数学を学んでおく必要がある。特に将来数学者としての道を歩もうと思っている者は一刻も早く英語で数学を学ぶ必要がある。

そこで私は日本の親に提案したい。日本の学校が休みの間の7月、8月、インドは学校を開いている。その時にインドに2ヶ月間の数学物理特別留学生を、日本から受け入れることをこの大学の学長と合意した。

日本の小中学生、あるいは高校生で、特に数学に興味がある者、そして今日本の習っている数学よりもさらに先を学びたい、それも英語で学びたいという人がいれば、そのお父さん、お母さんがいれば是非私に連絡してもらいたい。私が斡旋してこの大学への夏期留学を実現させる。

オックスフォードのDragon Schoolの校長先生夫妻が来社しました!

2009年10月29日
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全世界の小学生憧れの的、何とオックスフォードの
Dragon Schoolの校長先生夫妻が来社しました!


Dragon Schoolとは、全世界の小学校の全寮制スーパーエリートボーディングスクールの中でも頂点に位置するスーパーエリートボーディングスクール小学校である。イギリスのオックスフォードにあるため、最高の教育環境が整っている。小学生から3ヶ国語、4ヶ国語を教える。卒業生はイートン、ハロー、ラグビー、或いはアメリカのスーパーエリートボーディングスクールを出て、オックスフォード、ケンブリッジ、ハーバード、イエール、プリンストン等々、世界の最高ランキングの大学に進学している。この学校の特色は、何と言っても、語学教育、音楽教育、課外活動の豊富さにある。小学校といえども、アメリカの高校のボーディングスクールに引けを取らないクラブ活動を誇っている。また、ひ弱なエリートを作らないためにしっかりした教育方針を持っている事も校長先生の話から直接聞けた。

英語が出来なくても、Dragon Schoolに教育コンサルタントの石角完爾が責任を持って入れてあげる事が出来ます。ご連絡下さい。(TEL:03-3231-8888)

NPOボーディングスクール父母らの会

2009年10月29日
イギリスのオクスフォードにあるDragon Schoolの校長先生 John Baugh氏が来日されます。
ドラゴンスクールはイギリスのみならず世界的にも有名な小学校の英才エリート教育校であり、オックスフォード大学の教授達の子弟をあずかる目的で1877年に創立されましたが、今や世界中からエリート教育を求める小学生が来ています。
直接お話しを伺う貴重な機会ですので、ご興味のある方は下記までご連絡ください。



日時:2009年10月29日(木)13:30-14:30
場所:丸の内スクエア (千代田区丸の内3-1-1 国際ビル(帝国ビル)8階 811号室)
   TEL:5252-5005 FAX:5252-5006
会費:無料(ドリンク付)


お申込みは下記事務局までお願い致します。

<NPOボーディングスクール父母らの会 
The Foundation for Promotion of Liberal Art & Boarding Education>
代表 石角 完爾
The Director of Foundation
TEL: 3231-8888
FAX: 3231-8881
<父母らの会のE-mailとWebsite>
E-mail: school@chiyodakokusai.co.jp
URL: http://school.chiyodakokusai.co.jp

最新のおしらせ

2009年06月20日
2009年6月20日(土曜日)
17:00より 

 アメリカボストン近郊のLiberal Arts CollegeのWheaton CollegeのInternational Directorが当ボーディングスクール父母らの会 及び当Olive Educationに参りました。

 彼はAlfredo・Varelaといい、教育学のPh.D.を持っている人です。北海道大学で教えていた経験もある大変日本語の達者なInternational Directorでした。

 来日の目的は当社に訪問することの他に早稲田大学とのExchange Programをさらに進化させるためのDiscussionに来日しました。来年Wheaton Collegeから早稲田大学に学生が一人交換留学生として行くことになっています。また、早稲田大学からWheaton Collegeに交換留学生が参ります。

 Wheaton CollegeはアメリカのLiberal Arts Collegeの中でも極めてレベルの高い、East Coastの、全学生数1600名、すなわち1学年400人しかいないLiberal Arts Collegeです。

 ご承知のようにLiberal Arts CollegeというのはHarvardのような総合大学と違い、学生教育だけを目的とし、しかも哲学、文学、語学、歴史学、経済学、社会学、心理学、宗教学、倫理学、美術、音楽などの教養科目のみを4年間みっちりと1対1に近い少人数教育で教える大学です。教授が全部直接教えます。研究機関も大学院もありませんので、こういったLiberal Arts Collegeを出るとほとんど全員が大学院に進学することになります。

 Wheaton Collegeには現在日本からは3名の学生が来ております。うち2名はアメリカの高校出身者、うち1名は東京のアメリカン・スクールの出身者です。

 Olive Education、ボーディングスクール父母らの会が中心となり、Wheaton Collegeの日本Study Programをさらに研究していくこととなりました。